天然素材の雑貨　ようび堂

木曽の五木（ひのき・さわら・ねずこ・あすなろ・こうやまき）の一つにも数えられる、天然の椹材を採用しました。椹は木曽の五木の中でもやわらかく樹脂分を多く含むため、水に強く、軽いのが特徴です。また、水分の吸吐に優れているため、おひつ内の湿度を一定に保ち、ご飯を美味しく保存できます。椹の持つほのかでやさしい香りはご飯との相性が良いとされており、まさにおひつにぴったりの素材なのです。

臺處のおひつは従来のものと比べると、全体的に丸みを帯びたかたちをしております。それは使うほどに使う人の手に馴染んでいって欲しいから。また、キッチンはもちろん、ダイニングテーブルの上にそのまま出せるスタイリッシュなデザインを目指しました。きっと、使う人の毎日に寄り添う道具となってくれるでしょう。

蓋を取り、おひつの底を見てみると、まるで炊飯器の内側のように内底の角が丸く仕上げられています。これは、底の角に残ったご飯をすくいやすく、また、洗う時の手間が少しでも減らせたらとの思いから。使い方やお手入れにひと手間かかるイメージのおひつだからこそ、どうすれば毎日の暮らしの中でより手軽に快適に使ってもらえるのかを考え工夫しました。

天然木には時間の経過とともに縮む性質があります。そのため、昔はおひつや桶など木材を「タガ」で止めた木製品は、次第に「タガ」が緩んだり、落ちたりすると修理をして使うものでした。臺處では、手軽に安心して使っていただけるよう、おひつ本体に溝を作り、そこにタガをはめ込むことで落ちにくさを実現しています。また、細身の銅タガを使うことで、見ためもすっきり、洗練した印象に仕上げました。